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FOCUS

保育運営者の視点

子どもたちの豊かな未来のための基礎力を育む事業を行う

20年前から待機児童問題に着目し、埼玉県内を中心に保育所整備を進めてきた株式会社SHUHARI代表の中村敏也さんにインタビューしました。
現在は認可保育園や児童発達支援施設、学童保育施設など11の事業と28施設を運営。安定した保育施設運営を継続していく鍵とは?

待機児童問題を何とかしなければ

ー保育園を開設される前はどのようなキャリアを歩んでこられたのですか?
大学卒業後に新卒で通販の大手企業に就職しました。大学時代にアメリカへ留学したのですが、やはりその時期って、自分がやりたいことは何かと悩むじゃないですか。そこで当時、好きなことを仕事にしようと考えて「アーティストになりたい」「表現する人になりたい」と思っていたんです。でも留学先のアメリカでは、何が正解かよりも自分自身にとって何が満足か?という素直な気持ちで進路を決めて、仕事というものを楽もうと考えている人がたくさんいたんです。
それで、「自分も自己満足でやりたいことをやればいいのかな」と思うようになり。せっかく社会人になるなら厳しい会社に入って己を磨き上げたいと思って、不夜城といわれるようなハードワークが求められる希望通りの厳しい会社に入社できました(笑)。その会社で朝から晩まで3年間、本当に寝る間もないくらい働きましたね。


ーその後、保育の世界に?
そうです。社会人3年目になった頃に、従兄弟が結婚して子どもが産まれたんです。それで、保育園に預けて働く予定だったのにその預け先の保育園が見つからないと。そんなことがあるの?と思いましたね。そのときに初めて待機児童問題を知りました。今から20年以上も前のことですが、調べると保育園が全然足りてなくて、当時から深刻な問題になっていました。
それなら自分が保育園を作ることはできないかと思うようになり、保育の学校に通って準備して、平成16年8月に元気キッズ志木園を開設しました。
その後、認証保育型の保育園を数カ所展開するようになり、子ども・子育て支援新制度を機に徐々に認可に移行していきました。現在は埼玉県内を中心に認可保育園や児童発達支援施設、学童保育施設など11の事業と28施設を展開しています。


ー児童発達支援事業も展開されているのですね。
保育園を開設したときと同じです。発達の障害を抱えた子を母子分離で預けられる場所がないということで、「では、自分が作れないか」という経緯で開設に向かいました。常に社会的に意義のあることをやっていきたいというのが根本にあります。

理念経営にシフトし、職員間トラブルが起こりにくい組織へ

ー今や複数の事業で30近い施設を運営されているわけですが、立ち上げ期で辛かったことは何ですか?
当時から待機児童問題が深刻だったとはいえ、認証・無認可から始めたので、やはり園児が集まらないというのが一番の課題でした。開設して間もない頃はすぐ潰れてしまうかも…と毎日不安に思いながらも必死に運営していましたが、努力が少しずつ実っていき、クチコミなどで評判も広がって、3ヶ月目から段々安定して運営できるようになっていきました。

あと、2園目を開設した頃から職員間のトラブルが増えて大変でしたね。施設の規模や展開拠点の数が大きくなるにつれて、人のマネジメント、人同士の関係性というのがすごく課題になってきます。当時、一部のベテラン職員の力が極端に強くなってしまい、他の若手や気優しい人が意見を出せなくなるギスギスした雰囲気がありました。これはまずい、どうするべきか真剣に悩み考えた結果、保育理念を明確に設定し直して理念経営にシフトしていったんです。すると、その理念や価値観に合わない考えの人は辞めていくんですね、自然と。
今はその頃から活躍してくれている幹部の職員が中心となり、風通しの良い職場の雰囲気が作り上げられています。


ー中村さんは運営法人の代表として普段どのように各園と関わっていらっしゃるのですか?
各園で開催される職員MTGや、各園の代表が集まって行う幹部MTGなど基本的に毎月定例で行っている会議には全て私も同席します。その場で、元気キッズとしての考え方や、経営者である私から伝えたいことを直接、都度伝えています。
ただ、園にはそれぞれ責任者がいますし、常に私がその場にいるわけではないので、任せるところと、私も現場に入って話に加わることの線引きは非常に意識してバランスを取るようにしています。そういった努力を続けてきたことで、今では経営者である私の言ったことが変に曲がって伝わっていって誤解を招くようなこともなくなくなりました。
あとは、昼休みの時間等でとにかく沢山話をしてくださいと伝えています。「女子会」をしてください、と。内容は何でも構わず、とにかく職員同士でコミュニケーションをたくさんしていこうと。
クリスマス会とか、BBQといった社員行事も、一部は私が音頭を取って企画しています。そういった場や機会を作ることも私の重要な役目だと思っています。

何かしてもらったら「ありがとうございます」これを口に出すことからはじまる

ー先ほど理念の話がでましたが、特に大事にしていることは何ですか?
「一人ひとりが保育従事者としての自覚をもって、知識の習得と向上に努める」ことです。保育の仕事は専門性が高く、一人ひとりの価値観を基礎に作り上げられる共同仕事です。だからこそ、まず職員全員が想いをもって仕事に取り組めることが大切になります。
当然、勉強をしなければならないし、努力もしなければならない。現場でもずっとこの話ばかりしています。

あとは、礼節です。何かしてもらったら「ありがとうございます」これを口に出して言いましょうと伝えています。
例えば、お散歩中に道で近所の方に会ったら挨拶しますよね。でもあれ、普段一人でオフの時には中々やれないですね。相手も近所に済んでいる人かもしれないが見知らぬ人がいきなり挨拶してきたらびっくりします。
でも、保育中は保育士として、仕事に勤めているときの自分だから当たり前に挨拶するんです。それも誇りを持って保育士の仕事を全うしている表れですよね。保育士の自分としてだから、当然そう振る舞えるわけです。


ー中村さん自身はどんな時に保育園を経営していて良かったと思いますか?
やっぱり子どもたちの成長を身近で感じられることですね。以前、0歳児で元気キッズに通い始めて卒園した子が、小学校6年生になって、私が別法人で活動している体育の教室に来てくれたんです。もう立派に成長していて、涙が出るくらい嬉しかったですね。地域に根ざしてやってきて本当に良かったと思いました。


ー今後の展望は?
これからも元気キッズとして地域の子育て支援になる活動を続けたいです。特に何をするのか、というのは決まっていないです。私たちが何をすべきかは時代にまかせていこうと。
事業ドメインは「子どもたちの豊かな未来の基礎作り」なので、これに当てはまることだけをやっていこうと思っています。



【団体ホームページ】
株式会社SHUHARI | 保育園 元気キッズ
https://genki-kids.net/

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